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私の名盤 第2回 (読み物コーナー)

秋も深まってまいりましたね。
秋といえば、芸術の秋。
食欲の秋(さんまが美味い)
家でまったりと音楽を聴く秋と相場が決まっているものです。

では、始まります。
私の名盤第2回

今回は

The Nylon Curatain / Billy Joel (英27位 米7位)1982年


1.Allentown
2.Laura
3.Pressure
4.Goodnight Saigon
5.She's Right on Time
6.A Room of Our Own
7.Surprises
8.Scandinavian Skies
9.Where's the Orchestra?

ビリー・ジョエルかよ!!と突っ込みを入れられるかも知れませんが、百も承知であります。
今更ながらのビリー・ジョエル。
皆さん、ベストで済ませてませんか?
アルバムも毎回彼なりのコンセプトがあって面白いんですよ。


「ビリージョエルという人はやっぱり天才だと思う。
ひ弱なロックンローラーとか、甘いラブソングを作る一時期ヒット曲を連発していたソングライターだと認識されている方も多いし、それで間違いは無いのですが、やはり曲作りの非凡さで言ったらロックンロールが生まれてから出てきた作曲家の中でも群を抜くメロディーメーカーだと私は思います。

そのようなヒット曲連発のイメージを持っている一般のリスナーにとっては、このアルバムには意表をつかされるかも知れません。事実、売上的にはその前後のアルバムに比べると落ちていますし、中に収められているヒット曲も小粒なイメージがあります。資料を見る限りでは発売された当時(1982年)、衝撃的にメディアやファンに受けとめられたようです。

何故なら、このアルバムで単なるヒットメイカーだと認識されていた彼が、アメリカに住んでいる自分の身の周りの現実の歪み・問題点をシリアスに赤裸々に表現しようとしているからです。
中産階級で働く人達・複雑な人間関係に悩む人達・愛し合っているはずの恋人たちの苦悩etc。アルバムは深く・重厚なトーンで響いています。

「グッドナイト・サイゴン」という彼の代表的な曲が収められていますが、何よりこの曲の題材であるベトナム戦争への視点(反省?)こそがこのアルバムのトーンを決定させていると思います。音楽も60年代のサイケデリックミュージックの手法をふんだんに使用し、ベトナム戦争が泥沼化していた頃のロックミュージックを思い起こさせます。(その頃はまだロックは反体制の象徴だったのです)それが顕著なのはアナログ盤ではB面に当たる「She's Right on Time」から「Scandinavian Skies」の流れです。洋楽を聴き始めの頃には、この流れは捉えどころのない奇妙な音楽として聴こえたものです。

 

激動の60年代が過ぎ、個人的で穏やかな70年代が過ぎ、80年代が始まりました。
70年代ヒット曲を連発していた彼は、自身が感じている矛盾を吐き出さなければならない時が1982年に来たようです。
このアルバムで毒抜きをした彼は次作「イノセントマン」で底抜けに明るいPOPアルバムを作りヒット曲を連発します。
皆が期待するビリー・ジョエルが戻ってきたのです。」 (スタッフ池田)


 

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