モラトリアム2009

2009.12.29 - 80-00's ROCK
 モラトリアム2009...

もはや、モラトリアムな感覚には何のうしろめたさもない。

僕らは僕らのピュアネスを守るだけ。

そんな状況を、

ドリーミーなエレクトロが、あるいはソフトにサイケデリックで、融和的にシューゲイジンなサウンドが...

よく、すくいとっていた年でした。

例えばオリジナル世代のシューゲイザーに焦点を当てるなら、そこには、

社会から退却して自らのピュアネスを守ることの

困難、激しい摩擦、その闘いで負った深傷といったものが、

過剰なフィードバック・ノイズとして、また、かかりすぎのリヴァーヴとして表出されていたわけです。

が、昨今耳にする若きアーティスト達によるカジュアルなシューゲ・サウンドには、

そうした苛烈さではなく、

やさしく、融和的で、あけすけで、半面にかなりシビアな現実認識がある、

まさに高度に成熟した社会を生きるための新たなマナーを感じます。

今、社会の流動性が半端なく高まっていると同時に、

守りたいものを守るためのコストが...
いや、守りたいものを守るぞと言明することのコストが、

相対的に低くなっているのではないか。

みたいな。

そんなあたりよく象徴するようなバンドが、

輝いていました!

 

 

昨今の80'Sスペクティヴなエレクトロ・サウンドの隆盛にポスト・ヒストリーを生きる世代のリアリティをひしひしと感じないだろうか?

*NEON INDIAN/PSYCHIC CHASMS(輸/CD/1,890円)(国/CD/2,200円)(輸/LP/1,890円)

昨今の80'Sスペクティヴなエレクトロ・サウンドの隆盛にポスト・ヒストリーを生きる世代のリアリティをひしひしと感じないだろうか?かつてのエレクトロ・サウンドは先行世代に対するアンチであり、回答であっただろう。それは卑猥で攻撃的なものだ。が、今鳴っている音は生きることに素直で、限りなく温厚、融和的で優しく、ポライトだ。これを脆弱ととるか知性ととるか。CSS、THOSE DANCING DAYS等々のロッキンから、HUDSON MOHAWKE、PASSION PIT、DELPHICらエレクトロ・ディスコ勢、果てはANIMAL COLLECTIVEからDEERHUNTERに至るサイケデリック・ポップまで、その細胞の隅々に通う温室的な感覚が、このNEON INDIANにも脈々と流れている。ノスタルジックでウォームでモラトリアムなシンセ・ポップ。誰も傷つけないこの誠実でソフトな音を、あなたはどう裁くだろう?例えばPITCHFORKは'DEADBEAT SUMMER'に9点を付けている

 

●愛また愛。

*GIRLS/ALBUM(輸/CD/1,990円)(輸/LP/2,490円)

間違いなく本年度の最重要10作に入る名盤。コステロ風の歌いまわしで擦り切れた愛をうたう、30に手の届いたよるべない男。「愛」という概念ではなく「愛すること」という身も蓋もないハードな現実を綴る点において、ジョン・カサヴェテス監督『壊れゆく女』に匹敵し得る強度を得た本作は、その深く抉れたハートの鼓動が伝わり過ぎて怖じ気づくほど、宝のように/ゴミのように美しく純粋なアルバムです。ゼロ年代も終焉を迎えんとする今、ロックンロールのまばゆい蘇生を我々の目裏に焼き付け、60'Sロックやネオアコ風ナンバー、カリフォルニアの光を浴びながらも労苦と翳りとやさしい癒しを携えたこの類希な愛の讃歌に、我々は何度でも涙し、敬虔の念に打たれるでしょう。それでもローファイなタッチと、やはり昨今の主流であるソフトにシューゲイジンなサウンドが、今=2009の気分とすさまじく同機していて、この不可思議な奇跡にわたしは首をひねり、ため息をつくのです...。

 

●それは例えば、ポール・トーマス・アンダーソン『ブギー・ナイツ』を思わせる苦くまばゆい過去の青春の影絵。

*DRUMS/SUMMERTIME(輸/CD/1,190円)

まぶしすぎるネオアコ〜80'sポップ・センスをクールなサウンドで再構築するブルックリンの4ピース!それは例えばポール・トーマス・アンダーソンの『ブギー・ナイツ』を思わせる苦くまばゆい過去の青春の影絵。まだ産まれてもみない時代への思慕憧憬。MOSHI MOSHIよりリリースとなるこのミニ・アルバムは、打ち込みと生音の比率5:5でサウンド面のエグみを巧妙に抑えながら、アメリカン・ロックのダイナミズムとロマンチシズム、UKポップスのメロディの普遍性をいやというほど強調し、70年代から80年代への季節のうつりかわりを奇跡のように捉え、検証する、瞠目すべき問題作!いや、普通に聴いてもときめきがとまらない名作。GIRLSやPAINS OF BEING PURE AT HEART等09年モラトリアム・ポップな気分にもフィットしてます!

 

●あけすけな優しさ。09マナーな無防備っぷり。

*JUNK CULTURE/WEST COAST(輸/CD/1,680円)

ハドソン・モホーク等を思わせずにおかない、あけすけで無防備なモラトリアム・ドリーミー・エレクトロ!この、人を信頼しきったような、可愛げと温もりにみちた愛された一人っ子感覚に、限りない優しさがあります。わずかに効かせたトロピカルな意匠や民俗的なビートも、すごく今らしい!しかも、すべてが無菌の子ども部屋に置かれたおもちゃのごとく清潔。この生ぬるい優しさ、ヤワさをあなたは批判するでしょうか?ノー。多分。みんな「優しさ」ということに警戒し過ぎなのです!!このなんとも言えない09マナーな「ヤワさ」にリアルと感動を、わたしは覚えずにいられません!一方で、巧みなエディット感覚に支えられたハイセンスなサウンド・コラージュと、身体をつり込む締まったビートが、音全体を甘過ぎないように抑制していて、したたかな才能をうかがわせる逸品!

 

●あの窒息しそうな閉塞感...びっちりと目張りされたおもちゃ箱の中のような危険なドリーミー・シューゲイズに立ち眩み。

*ATLAS SOUND/LOGOS(輸/CD/2,090円)(輸/LP/2,190円)

DEERHUNTERのフロントマン、Bradford Coxのソロ・プロジェクト、ATLAS SOUND待望の2ndアルバム。なんと今作はPanda Bear(ANIMAL COLLECTIVE)が参加している曲も収録されており、DEERHUNTER-Bradford Coxラインのモラトリアムで死にたがり屋なシューゲ・メンタリティに、対照的なメリハリと生命力を与えています。これ聴き所!!ですが、「Microcastle」と同時期に制作されていたという深く納得する甘美な、そして覚醒したシューゲ・サウンドは健在です

 

●DEERHUNTERのギタリスト。他になにか説明が?

*LOTUS PLAZA/FLOODLIGHT COLLECTIVE(輸/CD/1,990円)(輸/LP/1,890円)

リヴァーヴ&リヴァーヴ&リヴァーヴの恍惚。福音のように降り注ぐ深めのリヴァーヴのミストに包まれて、遠く鳴る鈴の音、エレクトロ・ノイズ、ものの気配...ANIMAL COLLECTIVEの、あの生きとし生けるものの息づかいを一斉に感じるような、しかしどこか閉塞的なサウンドをイメージしていただければ。そして教会音楽のようなメロディ。メロディというより、もっとシンプルに「旋律」と言う方がぴったりくる音の列。溶けるように微かなヴォーカル 。DEERHUNTERよりも世界に対する許容が深い...こっちの方がスキです!!

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